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シール・ラベル基材は何層でできている? 表面基材・粘着剤・剥離紙の構成を解説

シール・ラベル基材の構成(表面基材・粘着剤・剥離紙)

シール・ラベルの用紙は、「表面基材」「粘着剤」「剥離紙(セパレーター・台紙)」という三つの層からできています。見た目には一枚の薄い用紙ですが、それぞれの層が異なる役割を担っています。

シール・ラベルは被着体に貼って使用するため、表面基材の見た目や材質だけで用紙を選ぶことはできません。粘着剤が使用環境や被着体の条件に対応できなければ、剥がれや浮きなどが発生し、シール・ラベルとして十分に機能しない場合があります。また、製品の最終仕上げの方法によって剥離紙(セパレーター・台紙)の適切な選択も必要となってきます。

そのため、シール・ラベルの用紙選びでは、表面基材、粘着剤、剥離紙の組み合わせを総合的に判断する必要があります。用紙の構造と各層の役割を知ることは、用途に合った用紙を選ぶための第一歩です。

この記事では、シール・ラベル用紙を構成する三つの層と、必要に応じて加えられる表面加工についてご紹介します。

シール・ラベル基材の基本構成

シール・ラベル原紙の三層構造
一般的なシール・ラベル用紙は、表面基材・粘着剤・剥離紙(セパレーター)の三つの要素で構成されています。

一般的なシール・ラベル用のタック紙・タックフィルムは、上から「表面基材」「粘着剤」「剥離紙(セパレーター・台紙)」の順に重なった、三つの要素で構成されています。

一番上の表面基材は、文字や絵柄を印刷し、シール・ラベルの外観や耐久性を担う層です。その裏側にある粘着剤が表面基材と被着体をつなぎ、一番下の剥離紙が使用するまで粘着面を保護します。

印刷・加工・保管の段階では三つの要素が一体になっていますが、シール・ラベルを使用するときには剥離紙を取り除き、表面基材と粘着剤の二層を被着体に貼り付けます。また、用紙だけでは補いきれない表面保護が必要な場合には、ニス引きPP貼りを行うことがあります。

1. 表面基材

様々な種類の表面基材
表面基材には、紙素材やフィルム素材など多様な種類があります。

表面基材は、文字や絵柄を印刷する一番上の材料です。商品に貼った後も外部に露出するため、シール・ラベルの見た目や印刷適性だけでなく、使用中の耐久性にも大きく関わります。

表面基材を選ぶ際は、シール・ラベルの使用用途、使用環境と、シール・ラベルに求める機能を明確にすることが重要です。屋内・屋外のどちらで使うか、水・油・薬品に触れるか、高温・低温にさらされるか、摩擦の影響を受けるかなどの条件によって、適した基材は異なります。また、プリンターで印字して使用する場合には、使用するプリンターの方式に応じた印字適性を考慮する必要があります。

例えば、一般的な商品表示や紙ならではの質感を重視する場合は、上質紙アート紙キャストコート紙クラフト紙和紙などが選択肢となります。一方、水回りや屋外での使用、強度や透明性が必要な場合には、PETPPユポ塩ビ(PVC)などのフィルム系基材を検討します。

表面基材の材質に加えて、厚さや表面処理、貼る対象や粘着剤との組み合わせ、印刷・加工方法まで含め、実際の使用条件に適した表面基材を選ぶことが大切です。

2. 粘着剤(糊)

シール・ラベルの基本構造 粘着層
粘着剤は、表面基材と被着体をつなぐ役割を担います。

粘着剤は、表面基材の裏側に塗布され、シール・ラベルを被着体に貼り付ける役割を担う層です。貼り付けた状態を保つだけでなく、必要に応じて剥がす、貼り直すといった使い方にも関わります。

シール・ラベルに必要な粘着性能は、どのような環境で、どのように使い、何に貼るかによって変わります。そのため、粘着剤を検討する前に、シール・ラベルの使用環境、使い方、貼り付ける対象物(被着体)の条件を確認することが重要です。

使用環境では、貼り付け時と使用時の温度・湿度、屋内・屋外の別、水や油への接触、冷蔵・冷凍、結露の有無などを確認します。使い方については、長期間貼ったままにするのか、一定期間後に剥がすのか、貼り直しが必要か、剥がした後ののり残りを避けたいかといった条件を整理します。

被着体については、紙、ガラス、金属、各種プラスチックなどの材質に加え、表面の凹凸や粗さ、曲面の大きさなども確認します。材質が同じでも、表面処理や状態によって要求される粘着性が変わる場合があります。材質名だけで判断せず、実際の被着体と使用条件を踏まえて検討し、必要に応じて実際の使用環境、被着体にて貼付テストを行う場合もあります。

このように、使用環境、使い方、被着体の条件に応じて、永久粘着、強粘着、弱粘着、再剥離、冷凍・冷蔵用などさまざまある粘着剤から適切なものを選びます。

3. 剥離紙(セパレーター・台紙)

シール・ラベルの基本構造 剥離紙
剥離紙は、使用するまで粘着面を保護し、シール・ラベルの加工や供給を支えます。左は青セパ、ロール仕上げ。右はキセパ、シートカット仕上げ。

剥離紙は、シール・ラベルを使用するまで粘着面を保護する台紙です。表面に剥離処理が施されており、シール・ラベルを必要なときに剥がせるようになっています。紙製のセパレーターのほか、表面の平滑度が高いフィルム製のセパレーターもあります。表面が平滑なため、接している粘着剤に微細な凹凸が生じにくく、透明PET基材を使用したシール・ラベルの透明性を高めることができます。

一般的な紙製のセパレーターには、「青セパ」と「キセパ」があります。

青セパは薄手で、薄い青色をした紙製のセパレーターです。厚さが比較的薄いため、シール・ラベルを自動貼付機で機械貼りする際に必要となるロール仕上げに向いています。薄いセパレーターはロール状に巻きやすく、自動貼付機でシール・ラベルを連続して供給する用途に適しています。

キセパは厚手で、黄色をした紙製のセパレーターです。青セパよりも厚いため、ロール仕上げによる機械貼りには向いていません。一方、手作業で貼り付けるシール・ラベルをシートカット加工で仕上げる場合に向いています。

シール・ラベル基材の構成は用途・使用環境・貼り付け方法に合わせて選ぶ

シール・ラベルを被着体に貼り付けると、表面基材と粘着剤は製品側に残り、剥離紙は取り除かれます。つまり、完成したシール・ラベルの性能を考える際には、表面基材だけでなく、被着体との接点になる粘着剤までを一つの組み合わせとして考える必要があります。

さらに、補助材である剥離紙も、シール・ラベルの貼り方を考える際には重要な構成要素です。人の手で貼るのか、自動貼付機を使って機械で自動貼りするのかによってシール・ラベルの仕上げ方法は異なり、適した剥離紙も変わってきます。手貼りでは扱いやすいシートカット仕上げ、自動貼りでは機械に連続供給できるロール仕上げなど、貼付方法に合った仕様が求められます。そのため、シール・ラベル全体の構成を決める際には、表面基材と粘着剤だけでなく、剥離紙も組み合わせの一つとして検討する必要があります。

表面基材の耐久性が高くても、粘着剤が使用環境に適していなければ、端部の浮きや脱落につながります。反対に、粘着剤が適切でも、表面基材が使用環境に対応できなければ、シール・ラベルは十分に機能しません。このように、シール・ラベルの用紙選びは、印刷適性、用途、使用環境、貼り付け作業の条件などを複合的に考えて行う必要があります。

必要に応じて加わる表面加工

基本の三層に加えて、印刷面を保護したり、見た目や機能を高めたりするため、ラミネートやニス引きなどの表面加工を施すことがあります。

ラミネート

シール・ラベル表面加工 ラミネート
透明なフィルムを貼り合わせることで、印刷面の保護や質感の変化を加えることができます。

印刷面に透明なフィルムを貼り合わせ、摩擦、水、汚れなどから印刷面を保護する加工です。この加工は「ラミ」や「ラミ貼り」と略して呼ぶこともあります。ラミネートフィルムの材質にはPPPETがあり、表面基材の材質などに応じて選択します。また、使用するフィルムにはツヤとマットがあります。

ラミネート加工後のシール・ラベルは、見た目が変わってきます。そのため、表面保護だけでなく、加飾の意味合いでラミネートが検討される場合も多くあります。特別感、光沢感を増すためにツヤラミネート加工をしたり、落ち着いた風合いを出すためにマットラミネート加工をするといったものがそれにあたります。

ラミを貼ると、シール・ラベル全体の厚みが増し、ハリやコシが出ます。そのため、直径の小さい容器などの強い曲面に貼ると、シール・ラベルが平らな状態に戻ろうとする力が働き、端が浮いたり剥がれたりする可能性があります。貼り付ける曲面に応じて、シール・ラベルの大きさや形状(角にRをつけるなど)を検討し、実際の被着体で事前に貼り付け検証を行う必要がある場合もあります。

ニス引き

シール・ラベル表面加工 ニス引き
ニス引きは、印刷面を保護する表面加工です。印刷の要領で透明な樹脂液をシール・ラベル表面に塗布します。

印刷面に透明なニスを塗り、印刷面を保護する加工です。ラミネートとは構造や保護性能が異なるため、必要な性能とコストを踏まえて選択します。ニスにはツヤとマットがあります。

表面保護とは別の、ニス引きで付加できる機能の一つに、筆記特性や印字特性の向上があります。マットニスを使用することで、筆記具での書き込みやラベルプリンターでの印字特性を高められる場合があります。ただし、すべてに対して有効に働くわけではないため、事前の試作と検証が必要となります。

ニス引き加工を施すことでシール・ラベルの見た目に変化が出るため、表面保護だけでなく加飾を目的として使用される場合があります。また、ラミネートとは異なり、ニス引きは印刷と同様に必要な部分へニスを載せる加工なので、部分的な処理が可能です。絵柄や文字など特定の部分にツヤやマットの質感を加え、デザイン要素として使用される場合もあります。

作りたいシール・ラベルから考える用紙選び

シール・ラベルの用紙構成は、表面基材、粘着剤、剥離紙を個別に選ぶのではなく、どのようなシール・ラベルを作りたいかを起点に考えます。用途によって、優先する見た目や性能、貼り方、納品形態が異なるためです。

以下では、商品ラベルと工業系の工程管理ラベルを例に、ケースごとの用紙選びの考え方をご紹介します。どのようなシール・ラベルの場合でも、用途、被着体、使用環境、貼り付け方法、希望数量・納期など、同様の内容を整理してお伝えいただくと、お問い合わせから仕様検討までがスムーズになります。

商品ラベルを作る場合

容器やパッケージに貼る商品ラベルの用紙選び
商品ラベルでは、デザイン性だけでなく、容器の材質や形状、使用環境、貼り付け方法も考慮します。

商品ラベルでは、商品のイメージを伝える見た目や印刷表現が重要です。紙の風合いを生かすのか、フィルムの透明性を利用するのかなど、求めるデザインから表面基材を検討します。同時に、必要な粘着性能を判断するために、紙箱、ガラス瓶、プラスチック容器など、何に貼るかを確認する必要があります。容器の材質や表面状態、曲面の大きさに加え、冷蔵・冷凍で保管する、水や氷に触れる状態で販売する、油に接触するといった商品の保管方法や販売方法といった、シール・ラベルの使用環境も確認します。これらの条件に応じて、耐水性をはじめ、シール・ラベルに求められる性能を総合的に検討します。

手貼りか自動貼付機による機械貼りかによって、シート仕上げ、ロール仕上げなど、仕上げ方法も変わってきます。必要に応じて、印刷面の保護や加飾を目的としたラミネート、ニス引きなどの表面加工も検討します。

■ 商品ラベルのお問い合わせ時に整理しておきたいこと

商品ラベルについてご相談いただく際は、次の内容を分かる範囲で整理しておくと、用紙や仕様を検討しやすくなります。

  • 商品ラベルの用途と、どのような商品に使用するか
  • ・求める見た目や質感のイメージ。ラフイメージやデザインがある場合は、ご提示いただけるとよりスムーズです
  • ・貼り付ける容器やパッケージの材質、表面状態、形状
  • ・希望するシール・ラベルの大きさと形状
  • ・商品の保管方法・販売方法と、温度、水、油などの使用条件
  • ・ラミネートやニス引き箔押しなど、表面保護・加飾の希望
  • ・製作数量、希望納期
  • ・現在使用している商品ラベルや、改善したい課題の有無

工業系の工程管理ラベルを作る場合

製造現場で使用する工業系工程管理ラベルの用紙選び
工程管理ラベルでは、管理情報を維持するための耐久性や粘着性能、印字適性が必要となります。

工業系の工程管理ラベルでは、製造工程や保管中に管理情報を読み取れる状態で維持することが重要です。貼り付ける対象が金属、各種プラスチック、容器、設備などのどれに当たるか、温度、水、油、薬品、摩擦など考慮すべき使用環境の要素を確認し、それらに対応できる表面基材と粘着剤を検討します。

工程の途中で剥がすのか、長期間貼ったままにするのかによっても、必要な粘着性能は変わります。ラベルプリンターで管理番号、バーコード、日付などを印字する場合には、使用するプリンターの方式に適した表面基材の選択が必要です。

製造環境は非常に多岐にわたり、特殊な環境条件、被着体の材質・表面状態・形状など、案件ごとに条件が異なります。そのため、想定する使用条件に合わせた試作や、実際の使用環境と被着体での貼り付け検証が必要になる場合もあります。

■ 工程管理ラベルのお問い合わせ時に整理しておきたいこと

工業系の工程管理ラベルについてご相談いただく際は、次の内容を分かる範囲で整理しておくと、用紙や仕様を検討しやすくなります。

  • ・工程管理の目的と、表示・管理したい情報
  • ・製造工程のどの段階で使用するか
  • ・貼り付ける被着体の材質、表面状態、形状
  • ・想定する使用環境と、特殊な環境条件の有無
  • ・プリンター印字の有無。印字する場合は、印字方法、プリンターの種類
  • ・希望するシール・ラベルの大きさと形状
  • ・ロール、シートなどの希望する納品形態
  • ・製作数量、希望納期
  • ・現在使用している工程管理ラベルや、改善したい課題の有無

シール・ラベル基材は三つの要素の組み合わせで考える

一般的なシール・ラベル基材は、印刷と外観を担う「表面基材」、貼り付け性能を担う「粘着剤」、使用まで粘着面を保護して加工・供給を支える「剥離紙」の三つの要素で構成されています。さらに、用途によってラミネートやニス引きなどの表面加工が加わります。

最適な構成は、デザインだけでは決まりません。貼る対象、使用環境、必要な耐久性、貼り付け方法などを総合して選ぶことが重要です。

シール・ラベルの依頼は、経験豊富な越後札紙へ

越後札紙は、多種多様なシール・ラベルを製造してきた経験と知識を蓄積しております。

表面基材、粘着剤、セパレーターの組み合わせに加え、印刷方法や表面加工、納品形態まで、用途や使用環境に合わせて検討し、ご要望に適したシール・ラベルをご提案いたします。

シール・ラベルに関するお問い合わせ、ご相談、ご依頼は、お気軽に越後札紙へお声がけください。

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