地元酒蔵の日本酒を、社名入りオリジナルラベルでご挨拶のギフトに《日本酒ラベル》

越後札紙がある新潟県小千谷市の地元酒蔵、高の井酒造様から、同じく小千谷市にある新潟サンケン様(2023年5月設立)向けオリジナルの日本酒ラベルをご依頼いただきました。
パワーエレクトロニクス分野で高い実績を誇るサンケン電気のグループ企業として、小千谷市に設立された新潟サンケン株式会社様で、地元小千谷の酒蔵、高の井酒造様の日本酒を、顧客訪問の際のお土産として、自社名を入れたオリジナルラベルであつかいたいとのご要望で立ち上がった今案件。高級ラインの純米大吟醸のラベルということで、高級感とオリジナリティに溢れるラベルを製造させていただきました。
髙の井酒造株式会社
江戸時代後期、前身となる「山崎酒造場」として創業。1937年の大火や戦時中の物資不足による一時閉蔵などを乗り越え、1955年に「高の井酒造」として酒造りを再開。長きに渡り地元小千谷で愛されている酒蔵です。一般酒から純米大吟醸まで、バリエーション豊富なメイン銘柄「たかの井」をはじめ、酒好きのみならず、日本酒が初めての人までもとりこにする「田友」や「伊乎乃」といった銘柄まで、幅広く日本酒の魅力が楽しめる酒蔵です。
新潟サンケン株式会社
パワー半導体市場においてグローバルに事業を展開するサンケン電気株式会社の、EV市場向けパワーモジュール製品のアッセンブリ生産拠点として、鉄鋼の町のバックボーンを持つ新潟県小千谷市で2023年5月に設立。高品質・高信頼なものづくりを小千谷市から世界に発信しています。
社名入りオリジナルラベルで地元酒蔵の日本酒をご挨拶のギフトに
- 純米大吟醸のラベルなので、高級感とオリジナリティがある用紙を選択
- 表面に細かなシボのある金ホイル紙を選択し、素材で特別感と高級感を演出
- 金色の用紙で、高級ラインの日本酒であることを訴求
- 凹凸のある用紙の文字をしっかり見せるため、箔押し加工で対応
- 地元企業2社のダブルネームで、地域の繋がりを演出
高級感をゴールドでストレートに表現

高級なイメージをストレートに表現する色の組み合わせの代表的な例に「金と黒」があります。「全面黒の背景にコールドの文字やロゴ」といった組み合わせは、さまざまな商品、広告などで見かけます。
しかし、それではありきたりになってしまい、ややオリジナリティに欠けてしまうので、組み合わせ方を「全面金に黒の文字やロゴ」にすることに。視覚的にインパクトがあり、贈られた方の印象に残るようにしました。
印刷における金の表現は、金インクの印刷、金箔押し、ラベル用紙自体に金のものを使用するなどさまざまあります。今回のラベルデザインは、背景が全面金色となります。この場合、金箔押しは、ラベルサイズが大きく、加工作業的にもコスト的にも不向きですので、金印刷をするか、金ホイル紙と呼ばれる金色の用紙を選択するかのどちらかを検討しました。
金ホイル紙を採用し、ラベルの素材感で高級感、特別感を演出
金印刷と金ホイル紙では、金色の見た目が異なります。それぞれの特徴を比較しながら、デザインを表現する材料や加工をどのような判断で決めていったかをお話します。
金印刷と金ホイル紙の質感の違い
金印刷は、微細な金属粉を混ぜ込んでメタリック感を出したインクを使用します。印刷は、ツヤ感が抑えられた、ややマットな仕上がりとなります。印刷された部分を手で触ると、手の脂がうつり、油染みのような汚れが出てしまう場合があります。こうなってしまうと、汚れを拭き取ってもきれいにならないため、広い面積を金印刷する場合は注意が必要です。汚れのリスクを回避するため、ニス引き(透明樹脂で表面をコートする加工)を行う場合もありますが、金印刷の輝きが若干失われます。
金ホイル紙とは、アルミ箔を紙に貼り合わせて作る用紙です。身近なものでは、金色、銀色の折り紙などが挙げられます。シール・ラベル用途の金ホイル紙は、物に貼ることができるように、裏面に粘着剤が塗布されています。質感は、ツルツル・キラキラで鏡のような輝きがあるもの、光沢を抑えたマットな風合いのもの、表面に細かな凹凸(シボ)が入ったものなど、金印刷に比べ、さまざまな風合いの金が選択可能です。
さまざまな金の風合いから選べるという点から、金ホイル紙の中から、イメージにあった用紙を選んでいきました。
金ホイル紙でも、表面の違いで見た目が大きく変わります

全面金となると、ややいやらしさが出てしまうきらいがあります。そこで、通常のツヤツヤの金ではなく、マット感のある金(我々の中では一般的に「ケシ(消し)金」と呼ばれます)、または、表面に細かい「シボ」の入った金ホイル紙を選ぶことで、ギラギラ感を抑え、インパクトがありつつ、落ち着きと個性を出せる用紙選択をすすめました。
比較画像では伝わりにくいですが、通常の金ホイル紙は、表面がツルツルして金属感が強く、光を強く反射します。一方、シボ入り金ホイル紙は、光の反射が抑えられ、金の質感を持ちつつ、落ち着いた雰囲気であることがわかります。
シボ入り金ホイル紙の方が赤みがかった金ですが、金色の色み以上に、表面の反射があるかないかで大きく用紙の雰囲気が変わっていることがわかります。また、シボ入り金ホイル紙は、高級な金色の砂壁を想起させる和テイストも感じられるので、インパクトをつけたい日本酒のラベルに適した用紙といえます。
以上のことから、ラベル用紙はシボ入り金ホイル紙を使用して進めることとなりました。
シボとは? シボ入り金ホイル紙の解説

シボとは、素材の表面にちりめん状に細かく寄った不規則なシワ模様のことです。表面をよく見ると、小さなシワやツブツブの模様を確認することができます。この凹凸が、素材に独特な風合い、落ち着き感、高級感を与えます。
接写した用紙表面には、画像のように細かいシワや凹凸が確認できます。この凹凸が、光の反射を弱め、ギラギラ、ゴテゴテになりがちな全面金色の素材に落ち着きと独特の風合いを与えます。金属表面処理の世界でも、金属表面の光沢を抑え、落ち着いた高級感のある風合いを素材に持たせる処理があります。メタリック感を残しつつ、反射を適度に抑えるという処理は、高級感と共に「落ち着き感」を素材に与えてくれます。

しかし一方で、用紙の表面に凹凸があるということは、印刷適正を下げてしまう原因ともなります。
用紙の印刷適正をあげる要素で第一に挙げられるのは、用紙表面の平滑度(すべらかさ)です。すべらかさが無いとは、用紙の表面に凹凸がある状態を指します。ラベル印刷は凸版印刷という方式で行われます。凸版印刷では、樹脂凸版と呼ばれるゴム印のハンコのような印刷版のでっぱった部分にインクをつけて、それを紙に押し当てて転写させるとで印刷します。用紙表面に凹凸があると、押し当てたインクが紙に均一にのらず、紙のでっぱった部分は濃く、引っ込んだ部分は薄くなりインクのノリにムラがでるといった症状が発生しやすくなります。また、でこぼこな部分にハンコを押し当てるので、印刷部分の輪郭がぼやっとし、凸版印刷ならではのシャープさがなくなる傾向にあります。
つまり、表面に風合いを持たせるために、印刷適正を犠牲にしているということになります。しかしながら、用紙の風合いを活かしたデザイン、しっかり見せたい印刷箇所をしっかり見せる方法の選択など、デザイン面、加工面で工夫をこらすことで、他にはないユニークな表現の日本酒ラベルに仕上げることが可能です。
シボ入り金ホイル紙の印刷仕上がり、加工仕上がり
シボ入り金ホイル紙や和紙などの、材質に特徴のあるユニークなラベル用紙は、総じて印刷適正が低くなる傾向にあります。しかしながら、用紙の素材感が、大きなデザイン要素の一つとなり得ます。
このような用紙を使用する場合は、不要な要素を削ぎ落とした、シンプルで抜け感のあるデザインにすることで、印刷適正の低さというデメリットを回避しつつ、用紙の素材感を活かしたラベルに仕上げていくことができます。シンプルなデザインは、デザインに無駄がないので、印刷要素が少なくても、高級感、落ち着き、しっとり感などをうまく表現できます。そこに印刷や加工を施す用紙自体のユニークさが加わることで、デザインをより高い次元に引き上げます。
シボ入り用紙の印刷仕上がり

個性を重視した特殊なラベル用紙を選んでいますので、ラベルデザインは、用紙の素材、風合いを活かす方向で考えます。デザイン要素は黒文字と一部赤色(落款部分)だけに絞り込み、ラベル用紙自体を背景として使うことで、シンプルでありながら、用紙の素材感によって個性の強いラベル表現を狙います。
今回使用するラベル用紙は、表面に細かいシボがあるため、通常の平滑度が高いラベル用紙と比較すると、印刷の輪郭がぼやっとして、シャープさが落ちる傾向にあります。実際に黒印刷を施した部分をよく見てみると、シボの凹凸が影響して、黒色が若干うすいのがわかります。遠目に見る分には、しっかりと黒表現ができていますので、視認性や可読性を損なうことはありませんが、通常用紙に印刷した黒と比較すると、ややグレーがかっており、若干ぼやけた印象となってしまいます。
デザイン要素でラベル中央に入る新潟サンケン様の社名は、よりシャープに、しっかりとした黒色で表現したいので、このような印刷仕上がりを回避すべく、印刷とは別の方法を用いることにしました。
カラー箔押しで、社名をより黒く、よりシャープに表現

ラベル中央の新潟サンケン様の社名は、箔押し加工で表現することで、印刷での輪郭のぼけ感や印刷濃度低下を回避しました。画像を見ていただくと、通常印刷よりもシャープで、よりしっかりと黒色が出ていることがわかります。また、箔表面に光沢感があるので、背景のざらざら感とのコントラストが出て、よりパキッとした印象になり、社名をしっかり見せることができています。
箔押しというと、金や銀のイメージが強いですが、今回使用した黒色をはじめ、さまざまな色の箔があります。金、銀に縛られない、バリエーション豊富な箔の表現が可能です。一般的な加飾加工としての箔押しのほか、今回のように、印刷の代わりとして使用するといった使い方をする場合もあります。
まずはご相談ください。日本酒ラベル製造経験豊富なスタッフが製造いたします。

日本酒ラベルは、和紙をはじめとする、印刷・加工に細やかな調整や設定が必要な用紙を使用するケースが多くあります。弊社は、酒どころ新潟に拠点を構えておりますので、豊富な日本酒ラベル製造の経験やノウハウを蓄積しております。
用紙のこと、箔押しなどの加工のことなど、まずはお気軽にご相談ください。シール、ラベル印刷のプロが、様々な視点からご提案差し上げます。
仕様
素材の種類(紙) | 金ホイル紙 |
---|---|
加工方法 | ハーフカット 箔押し |
用途 | 商品ラベル(日本酒ラベル) |
印刷方式 | 凸版 |
接着剤 | 永久粘着タイプ一般強粘 |
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