
日本酒ラベル・シールで使用される用紙のいろいろ

越後札紙は、酒どころ新潟にある会社ということもあり、さまざまな日本酒ラベルを数多く製造しております。
コスト重視で印刷適正も高いアート紙、水濡れを考慮したユポ、高級感や特別感を演出する和紙など、日本酒ラベル・シールに使用される用紙はさまざまあります。日本酒も含めた、多くの商品のラベル・シールは、商品の顔としての要素が非常に強いので、用紙の選択を吟味し、商品をより良く表現するための工夫をこらすことが多くあります。
日本酒ラベル・シールの用紙選択は、お酒の種類(一般酒、吟醸、大吟醸、純米大吟醸など)、酒蔵における各銘柄の位置付け、お酒の保存・販売環境など、さまざまな要素を検討して行います。
日本酒ラベル・シールの用紙選択基準や、用紙の特性など
日本酒ラベルに使用する用紙を選ぶには、さまざまな要素を考慮しながら行う必要がります。単純に用紙の見た目だけで選んでしまうと、保存・販売環境に対応できなかったり、印刷や加飾加工(箔押しなど)がきれいに表現されなかったりと、ラベル・シールの機能を下げてしまう結果につながる場合もあります。
用紙選びで考慮すべき点などをご説明いたします。
日本酒の保存環境、販売環境
まず最初に考えなくてはならないのが、この項目といえます。
ラベル・シールの使用環境を無視すると、日本酒ラベル・シールとしての基本的な機能をはたせません。
【(耐低温性) 冷蔵保存に対応できる粘着性能か】
まずは、保存環境を確認しましょう。ラベル・シールの粘着剤は、温度が低くなるほど硬くなり、粘着力が低下していきます。粘着剤には冷蔵保存の温度帯に対応する耐低温ものがあります。
吟醸酒や生酒は冷蔵保存が推奨されます。中でも純米大吟醸などのラベル・シールは、高級感や特別感を演出するために、普通のラベル・シールとは異なる、風合いのある用紙を選びたくなる傾向が強いです。そのようような用紙の粘着剤が冷蔵保存の温度帯に対応できるかどうかを確認しておかないと、最悪の場合、冷蔵庫の中でラベル・シールが剥がれてくるということも起こりえます。
【(耐水性) 水濡れを考慮する必要があるか】
飲食店で、冷やしておいた日本酒を瓶のままお客様にご提供する場合、冷蔵庫内と室温の差によって表面が結露を起こすことがあります。また、イベント販売などで、酒瓶を水槽の水にどぶ漬けしてご提供するといったことが考えられるような日本酒のラベル・シールは、耐水性があるかないかを考慮する必要があるでしょう。
冷蔵庫内で結露を起こす場合もあるため、耐低温性と耐水性はセットで考えることが多くなります。
お酒の種類、銘柄の位置付けなど要素とコストとのバランスを考える
日本酒は、ラベル・シールがないと、瓶詰めされた液体としか写りません。ですので、各酒造メーカー様は、ラベル・シールを用いて、中に入っているお酒の味、ストーリー、ブランドイメージを表現するためにデザインに工夫を凝らします。銘柄やお酒の種類によって、ラベル・シールに使用する用紙で差をつける場合があります。
【一般酒などの手軽な日常酒の場合】
一般酒のラベル・シールに、見た目がいい、面白いという理由だけで高価な和紙素材の用紙を選ぶのは、資材コスト的にも、酒蔵のブランド構成のバランス的にも適していません。一般酒は、より大衆的なお酒ですので、シンプルで一般的なアート紙などを使い、比較的にぎやかなデザインのラベル・シールを用いることで、よりターゲットに届きやすくなり、かつ、資材コストと販売価格のバランスが取れてくるといえます。
【純米大吟醸、特別限定酒など高級ラインの日本酒の場合】
吟醸酒や限定酒には、和紙など、用紙自体で風合いがあるものを選び、用紙の素材感を活かし、よりシンプルで落ち着きのあるデザインのラベル・シールにすることで、高級感、特別感、落ち着き、贅沢な時間といったイメージを演出することが多いです。一般的な用紙を用いたとしても、箔押し、部分ニス引きなどの加飾加工を組み合わせるなどして、日常酒との差をつけるのが良いでしょう。用紙や加工のコストは上がってきますが、お酒の価値、ターゲット層、販売価格などを考えると、資材コストだけで判断せず、商品のトータル価値をみて決めていくのが良いでしょう。
用紙の印刷適正とデザイン
和紙など、用紙自体に風合いと特徴があるものになればなるほど、実は印刷適正が低くなります。用紙表面の平滑度の低さがその理由です。和紙は、植物繊維を活かした風合いであるため、用紙表面に繊維による凹凸が発生します。結果、印刷ムラが出やすくなってしまいます。また、印刷適正を上げるための表面処理は行っておらず、インクの染み込みやにじみが、一般的な用紙よりも出やすくなります。このようなことから、4色掛け合わせのフルカラー印刷には向いていません。
しかし、用紙自体の独特な風合いがあるので、素材感を活かし、他との差別化を図るために高級ラインの日本酒ラベル・シールで採用されることが多くあります。シンプルな図案と用紙の風合いのバランスで洗練さを演出できれば、味のある、非常に高い高級感を出すことができます。
和紙などの特殊性のある用紙の使用をご希望される場合は、事前にデザイン案をお見せいただけますと、印刷適正や加工適正を考慮したアドバイスが可能ですので、お気軽にご相談ください。
日本酒ラベルによく使用される一般的なラベル用紙
日本酒全体の5〜6割を占めるのが一般酒です。より大衆向けで、日常で気軽に楽しめるお酒です。そのため、価格はお求めやすいものが多く、必然的にラベル・シールなどの資材は高くならないのが望ましいです。ですので、コスト面で有利なラベル・シール用紙が選ばれ、かつ、それらを使用した日本酒が一番多く流通し、我々の目に触れることとなります。日本酒ラベル・シールとして私達が最もよく目にする素材を2つご紹介いたします。
【アート紙】日本酒ラベルで最もよくみる用紙

印刷適性を上げるために、表面を顔料で塗工処理された用紙です。日本酒ラベルに限らず、各種商品ラベルでも広く一般的に使用されており、安価で使いやすい用紙と言えます。塗工処理により、用紙表面に光沢感があり、平滑度(表面のすべすべ感)が高くなっています。紙表面の凹凸が軽減されていて、インクの吸い込み、滲みが抑えられるため、鮮やかな色の表現に優れています。
箔押しなどの加工適正もよく、安定した仕上がりが期待できる用紙です。高級ラインのお酒に使用する場合は、加工適性の良さを活用して、箔押しや部分ニスなどの加飾加工を組み合わせることで、高級感や特別感を演出することがあります。
【用紙評価】
《印刷適正》良い 《加飾加工適正》良い 《耐水性》無し
《耐低温性》低温度帯対応粘着剤あり
耐水性をうたってはいませんが、軽く濡れた程度ならすぐ拭き取れば大きなダメージは受けません
【ユポ】耐水性に優れた合成紙

合成樹脂(プラスチック)を主原料に製造された紙です。紙が持つ特徴(白さ、印刷適性)と、プラスチックが持つ特徴(耐久性、耐水性)を併せ持っています。用紙表面はマット感があり、落ち着きのある雰囲気です。選挙ポスターにも使用されるユポは、水で濡れる恐れのある使用環境でのラベル・シールの材料として手軽に使用できる用紙です。
アート紙同様、箔押しなどの加工適正もよく、安定した仕上がりが期待できる用紙です。高級ラインのお酒に使用する場合は、加工適性の良さを活用して、箔押しや部分ニスなどの加飾加工を組み合わせることで、高級感や特別感を演出することがあります。
【用紙評価】
《印刷適正》良い 《加飾加工適正》良い 《耐水性》あり
《耐低温性》低温度帯対応粘着剤あり
用紙の風合いが個性的な、和紙タイプのラベル・シール用紙
吟醸酒のような、一般酒より価格帯が高めの日本酒では、高級感、特別感、落ち着き、贅沢な時間といったイメージを強調するために、瓶に貼るラベル・シールを特徴のある用紙で作成する場合があります。日本酒のラベル・シールということで和紙系統の用紙を使用することが多くなります。和紙は、用紙の凹凸や紙の繊維感が強く、印刷適正を上げるための表面処理がなされていないため、アート紙やユポより印刷適正が劣ります。しかし、素材感が強いため、ラベル・シールに存在感、高級感、特別感を演出でき、日本酒の世界観をうまく表現できる用紙といえます。
越後札紙では、これからご紹介する和紙系統の用紙を用いたラベル・シールの印刷、加工の経験を多く持ち、さまざまなノウハウを蓄積しております。
一口に和紙と言っても、さまざまな種類があり、見た目も違ってきます。以下に、さまざまな和紙をご紹介いたします。
【和紙ムジ】

見た目は、細かい繊維が密集した感じで、表面の手触りは和紙の中ではツルツル感があり、若干の光沢感があります。パッと見た目はゴテゴテの和紙感がなく、オシャレ系の日本酒ラベルに向いている用紙の質感となります。ワインラベルでご使用いただいた例もあります。
【用紙評価】
《印刷適正》やや劣る 《加飾加工適正》やや劣る 《耐水性》無し
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
和紙は全般的に印刷適正が低いです。4色フルカラー印刷には適しません。
【和紙白】

まばらに大きめな糸状の繊維が入った、いかにも和風なイメージの用紙です。高級感にプラスして伝統感も強調できそうな素材です。このような素材にあえてシャープなデザインを印刷するのも、はずしのかっこよさとしてありかもしれません。
【用紙評価】
《印刷適正》やや劣る 《加飾加工適正》やや劣る 《耐水性》無し
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
和紙は全般的に印刷適正が低いです。4色フルカラー印刷には適しません。
【和紙 きなり】

和紙白と同様に、まばらに大きめな糸状の繊維が入っており、黄色味がかった、紙本来の色味や風合いを持った用紙です。素朴な感じがありながら、確実に一般の紙とは違う用紙は、季節限定、特別限定などの日本酒ラベル・シールに向いているかもしれません。
【用紙評価】
《印刷適正》やや劣る 《加飾加工適正》やや劣る 《耐水性》無し
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
和紙は全般的に印刷適正が低いです。4色フルカラー印刷には適しません。
【和紙 金】

小さめの糸状の繊維と共に、金銀の箔片が散りばめられた、コテコテの和風イメージの用紙です。使い方が難しそうで、間違うともっさりしたイメージのラベル・シールになってしまいそうです。しかし、これだけコテコテに和風な素材ですので、海外向け商品のラベル・シールに使用するのは面白いかもしれません。
【用紙評価】
《印刷適正》やや劣る 《加飾加工適正》やや劣る 《耐水性》無し
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
和紙は全般的に印刷適正が低いです。4色フルカラー印刷には適しません。
【和紙 金がすみ】

金のホイル紙の上に目の荒い薄い和紙が貼りこんであり、下地の金が和紙の隙間から透けて見える、かなり個性の強い用紙です。表面がざらざらなため、印刷適正は非常に低く、ラベルの製造には、製造オペレーターの腕と経験が試されます。また、強烈な個性を持つ用紙ですので、印刷適正を加味しながら、用紙の質感をどのように活かすか、デザイナーの腕の見せ所でもあります。
【用紙評価】
《印刷適正》劣る 《加飾加工適正》劣る 《耐水性》無し
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
和紙は全般的に印刷適正が低いです。4色フルカラー印刷には適しません。
【和紙 銀がすみ】

銀のホイル紙の上に目の荒い薄い和紙が貼りこんであり、下地の銀が和紙の隙間から透けて見える、かなり個性の強い用紙です。繊維の目で表面がざらざらなため、印刷適正は非常に低く、細かい文字は読みづらくなります。ラベルの製造には、製造オペレーターの腕と経験が試されます。また、強烈な個性を持つ用紙ですので、印刷適正を加味しながら、用紙の質感をどのように活かすか、デザイナーの腕の見せ所でもあります。
【用紙評価】
《印刷適正》劣る 《加飾加工適正》劣る 《耐水性》無し
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
和紙は全般的に印刷適正が低いです。4色フルカラー印刷には適しません。
【耐水和紙フィルム】

非常に耐久性の高いポリエチレン素材を使用し、表面に和紙のようなシボをつけた用紙です。フィルム素材ですので、耐水性があり、水に濡れる恐れのある環境で和紙を使用したい場合の選択肢となります。繊維感を強調せず、手漉き和紙に見られる紙の厚みのムラ感(紙に厚い部分と薄い部分が見られる)がうまく表現されているので、和のテイストを持ちながら、すっきりとした洗練さを感じられる用紙です。そのため、日本酒はもとより、ワインのラベルなどでも採用されることがあります。
【用紙評価】
《印刷適正》劣る 《加飾加工適正》劣る 《耐水性》あり
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
用紙表面に厚い部分と薄い部分の凹凸があるため、印刷適正は低くなり、4色フルカラー印刷には適しません。
【耐水和紙HTユポ】

ユポ(合成紙)の材質を用いて、和紙の風合いを持たせた用紙です。材質はユポですので、耐水性に優れます。耐水和紙フィルムより、さらに繊維感が欲しい場合に適しています。表面の繊維感を強くしているため、細かな凹凸が多く、印刷適正は低くなりますが、用紙自体の質感がとても良いので、素材を活かしたシンプルなデザインにすることで、すっきりとした、落ち着きのある雰囲気を演出できる素材といえます。
【用紙評価】
《印刷適正》劣る 《加飾加工適正》劣る 《耐水性》あり
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
用紙表面に細かい凹凸があるため、印刷適正は低くなり、4色フルカラー印刷には適しません。
スパークリング日本酒、日本酒リキュールなどに適した用紙
日本酒の幅をひろげ、多種多様なニーズに答えるべく、多くの酒蔵がスパークリング日本酒、日本酒リキュールといった、日本酒の楽しみ方を押し広げるユニークな製品を製造・販売しています。これら商品は、日本酒の伝統を背景に持ちながら、新しい日本酒の楽しみ方を、これまでの日本酒ファンをはじめ、日本酒に馴染みのなかった層に向けて発信しています。
そんな商品のラベル・シールは、日本酒の枠にとらわれない、より自由なイメージのデザインが多くあります。また、ラベル・シールに使用される用紙も、想定されるターゲット層やお酒のイメージに合わせ、透明のもの、キラキラしたもののように、大胆なものが選択されたりします。
その中でも、よく使用されるパールフィルムをご紹介します。
【パールフィルム ホワイト】

ベースとなるフィルムの表面にパール顔料を塗工した用紙です。パール顔料を塗工することにより、名前の通り、用紙表面に真珠のようなキラキラした質感を持たせています。ギラギラした反射ではなく、マットな風合いの落ち着きのある光沢感のため、高級なお酒、食品、化粧品などのパッケージラベル・シールによく使用されます。フィルムがベース基材の用紙ですので、耐水性があり、水濡れの恐れがある商品に対しても心配なく使用できます。
印刷すると、インクが透過し、用紙のキラキラ感が影響するので、メタリック調の仕上がりになります。メタリック調な仕上がりが不要な部分には、インクの透過を防ぐために、白印刷を施し、その上に印刷をする対応をとります。
【用紙評価】
《印刷適正》良い 《加飾加工適正》良い 《耐水性》あり
《耐低温性》10℃程度の冷蔵環境対応可能
用紙の選択にプラスして、箔押し加工で商品の個性を表現

日本酒ラベル・シールでは、多種多様な用紙の質感を活かしたラベル・シールはもとより、銘柄を箔押しで表現したり、背景の一部に箔押しを施すなどの加飾加工を行うことが多くあります。質感のある用紙と箔押しを組み合わせれば、より一層、高級感や特別感を演出できます。一般的な用紙を使用する場合でも、箔押し加工を入れることで、グッと質感を高め、高級感、特別感を付加することができます。
定番の金、銀の箔以外にも、赤、ピンク、ブルー、ホログラムなど、様々な種類の箔があります。
キラキラの箔で銘柄を目立たせるという使い方が、1番の王道的な箔押しの使い方ですが、用紙表面の凹凸やシボが強く、ラベル・シール中央のお酒銘柄の印刷に、カスレやムラがどうしても目立ってしまう場合、銘柄を黒色箔で箔押しすることで、はっきりシャープに、しっかり黒く表現するという使い方もあります。
日本酒ラベル・シールの依頼は経験豊富な越後札紙へ
越後札紙は、酒どころ新潟に会社があることから、多くの日本酒ラベル・シールを製造してきました。
その中で、印刷、加工のさまざまなノウハウ、多種多様な用紙の知識を蓄積してまいりました。
ラベル・シールの用紙には、さまざまな種類のものがあります。同様に、粘着剤の種類も多数あります。見た目だけで用紙を選択し、粘着剤の機能がラベル・シールの使用環境に対応できずに、実際の使用で剥がれてきてしまうというケースもあったりします。ぜひ、専門家である越後札紙にご相談ください。越後札紙は、「こんな表現がしたい」と「ラベル・シールとしての機能の必要条件」をきちんと精査し、最適な用紙をご提案いたします。
日本酒ラベル・シールに関するお問い合わせ、ご相談、ご依頼は、お気軽に越後札紙へお声がけください。
シール、ラベルのプロフェッショナルとして、ご要望に最適なご提案をさせていただきます。
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