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クリーンルーム用ラベルの清浄度を考える ~清浄度はどこに求められるべきか~

ラベル・シールのサンプル

ラベル材質がフィルム系であるからといって、それだけではクリーンルーム対応の「製品」としては成立しません。なぜならば、ラベルが「製品」として成立するためには、ラベル基材と呼ばれる本体材料以外にも構成要素があるからです。越後札紙のクリーンルームラベル®が、どのような製品構成でできているか、クリーンルーム用のラベルを考える上で、どんな点に注意が必要か、そのうえで、清浄度はどこに求められるべきかを考えます。

クリーンルームと清浄度の維持

クリーンルームとはどんなものか。その概要と、クリーンルーム運用、環境維持のための考え方をおさらいします。

クリーンルームとは

クリーンルームとは、特定の作業環境において、空気中の微粒子(パーティクル)や汚染物質を最小限に抑え、非常に清潔な環境を維持するために設計された部屋です。製造や研究の際に、微細な汚染が大きな影響を与えるような分野でクリーンルームが利用されます。半導体製造、光学機器製造、医薬品製造、バイオテクノロジー、医療、食品産業などさまざまな分野で活用されています。

クリーンルームの清浄度合いはさまざまですが、その基準を明確にしたのが「クラス」です。クラスは単位体積に含まれる粒子の数で示され、業種や製造の内容などによって求められるクラスが異なります。クラス(清浄度)は、ISO基準や米国連邦規格(FED-STD-209E)などによって分類されています。クラスは数字で表され、規格によって清浄度を表す数字の表記は違いますが、数が小さいほど清浄度が高いことを示しています。

クリーンルームの4原則

クリーンルームの清浄度を維持するために遵守するべき項目に「クリーンルームの4原則」というものがあります。

【クリーンルームの4原則】

1.持ち込まない
クリーンルームに外部の微粒子、ほこり、汚染物質を持ち込まないことが最も重要です。ですので、室内に持ち込む資材や備品などは、クリーンルームの「クラスに対応できる清浄度」であることが求められます。

2.発生させない
作業中に、できるだけ汚染物質を発生させないようにします。使われる資材、備品などは、汚染源とならないよう、「発塵しない」清浄な物の使用が求められます。

3.堆積させない
適切な清掃手順を守り、フィルターや空調設備を定期的に交換・メンテナンスすることで、空気中や作業エリアに汚染物質が溜まらないようにします。

4.排除する
クリーンルーム内で発生した汚染物質やパーティクルは、室内において、フィルターや換気システムを用いて除去し、排除します。

越後札紙のクリーンルームラベル®は、4原則の中の「持ち込まない」「発生させない」をクリアできる、クラス1000に対応した、自己発塵しない高清浄度のラベルです。クリーンルーム内でラベル使用が必要になった場合に、安心してご使用いただけるものとなっております。

クリーンルーム用ラベルの製品構成を考える

一般的なラベル、シールをクリーンルーム内に持ち込んではいけない理由

ラベルの製品構造

ラベル、シールの基本的な構造は以下の通りです。

ラベル基材(ラベル本体)+ 粘着剤(のり)+ 剥離紙(ラベル台紙、セパレーター)

ラベル基材には、紙素材、合成紙(代表的なものにユポ)、フィルム系素材など、さまざまな種類のものがあります。これら素材の多くは発塵します。用紙を断裁した際に出た粉末状の切りくずや、断裁面や紙表面から剥離する繊維くずなどがそれらにあたり、紙粉と呼ばれます。

剥離紙は、ほとんどの場合が、紙系素材のものが使用されます。ですので一般的なラベル製品は、多くの場合、発塵します。

一般環境での使用には全く問題ありませんが、クリーンルーム内に持ち込み使用することを考えた場合、発塵性が考慮されていない一般的なラベルの持ち込みと使用は、汚染の持ち込み、汚染の発生とイコールといえます。クリーンルームの原則「持ち込まない」「発生させない」を大きく逸脱します。

それぞれの素材の発塵性と、クルーンルーム用ラベルに適切なラベル基材

【紙素材の発塵】
紙は植物などの繊維をからませて平らに成形して作られます。繊維の集積体であるため、摩擦や衝撃によって紙自体から紙粉といわれるほこりやチリが発生します。ラベルは決まったサイズにカットされており、特に、そのカット断面から多くの紙粉が発生します。

紙系素材でも、特殊な処理がなされ、発塵を抑制した「無塵紙」とよばれるものがあります。無塵紙は、クリーンルーム内での使用ができるよう処理された、発塵性が極めて低い(ほとんど発塵しない)用紙であり、安心してクリーンルーム内に持ち込み、使用できる素材です。

【合成紙の発塵】
合成紙(代表的なものにユポ)は、フィルム系素材の一種で、石油から作られる合成樹脂を主原料とした用紙です。見た目は紙に似ており、耐水性、耐久性に優れています。普通の紙系素材と比較すると発塵性は低くなりますが、紙系素材同様に自己発塵するため、クリーンルーム内に持ち込む材質としては適当ではありません。

【フィルム系素材の発塵】
フィルム系の素材、特にラベルでよく使用されるPETや塩ビ(PVC)は、発塵性が極めて低く(ほとんど発塵しない)、発塵に関しては、クリーンルーム内に持ち込み可能な素材といえます。しかし塩ビ(PVC)は、アウトガスの発生によりクリーンルーム内を汚染する可能性が高いため、クリーンルーム用ラベル材料としては適当ではありません。

アウトガスの発生もなく発塵性が極めて低く、自己発塵しないPETは、クリーンルーム用ラベルの材料として適切な素材です。

以上から、越後札紙ではクリーンルーム用ラベルのラベル基材にはPETと無塵紙を使用しています。

要件を満たすために、見落としてはいけない剥離紙(ラベル台紙、セパレーター)の材質

剥離紙が紙素材では、クリーンルーム用の要件を満たせません

ラベルは、粘着剤が塗布されたラベル基材を一定の大きさにカットし、剥離紙(ラベル台紙)で粘着剤で保護した状態で一つの製品となります。ですので、クリーンルーム用ラベルを考えるうえでは、「どんな素材の剥離紙を使用しているか」も見落とせない条件となります。

例えば、ラベル基材にPETを用いてラベルを作っても、剥離紙(ラベル台紙、セパレーター)が一般のラベルと同様の紙系素材だった場合、せっかく発塵しないラベルなのに、補助材が発塵して、製品としての清浄度を下げ、クリーンルームに持ち込めない状態にしてしまいます。ラベル製品の製品構成上、ラベル基材だけきれいでも、要件を満たせないということです。要件を満たすためには、剥離紙も自己発塵しない素材にしなければなりません。

そこで、クリーンルーム用ラベルの剥離紙には無塵紙を使用します。

ロール仕上げの際には、ラベルを巻き付ける芯管にも注意が必要です。

ABS樹脂管

さらに、ラベルをロール仕上げ(筒に巻き付け、ロール状にすること)にする場合、どんな素材の筒に巻き付けるかも大事になってきます。一般的にラベルをロール仕上げする場合、紙管という再生紙を原料にした板紙の筒を使用します。ご想像の通り、紙管からは紙粉が発生します。紙管は、巻き付けるラベル台紙の幅に合わせて専用カッターでカットされるので、切り口からの紙粉の発生がさらに加速されます。ロール仕上げに紙管を使用してしまっては、ラベル基材も剥離紙も適正な素材の組み合わせで作ったのに、最後の最後で製品を台無しにしてしまいます。

クリーンルーム用ラベルをロール仕上げする場合は、紙管ではなくABS樹脂管を使用する必要があります。

清浄度の本質を考える

製造環境は?

ラベルの材料に、クリーンルーム用ラベルとして適正な材料を用意したとしても、一般環境で製造、加工、梱包をしてしまっては、製品の清浄度は保てません。クリーンルーム(クラス1000)内に持ち込んで使用するものを製造するのですから、その製造環境は、やはりクリーンルームである必要があります。

越後札紙は、自社工場内にクリーンルームを有し、クリーンルームラベル®の加工を行っております。

材料が入庫時に何らかの原因で汚染されている可能性は?

加工現場への材料の輸送・搬入時に材料にホコリやチリが付着してしまっていたら。材料自体が既に汚れてしまっていたら。そのような可能性はゼロではありません。材料の清浄度が完全に担保されていないとしたら、製品の安全性に関して不安な状態が残っているということになります。

製品の清浄度はどこにあるのか?

最終製品の清浄度こそ「本当の清浄度」

さらにいうと、ラベルカットや印刷などの加工時の塵埃付着の可能性なども考えると、不安な状態を可能な限り取り除こうとすると、材料や環境だけで充分なのだろうかという疑問が残ってしまうのは否めません。

そのような可能性やリスクを考慮すると、本当の清浄度とは、材料や環境の清浄度だけではなく、「加工された製品自体の清浄度」ではないかということに思い当たりました。

では、「加工された製品自体の清浄度」はどのように実現できるのか。さまざまな加工を経てラベル製品の状態になったものを洗浄すれば、材料輸送・搬入時や製造途中の何らかの汚染リスクを除去し、加工済み製品自体の清浄度をしっかり確保できるという考えに至りました。

本質的な「ラベルの清浄度」を実現する越後札紙の独自工程

最終製品自体の清浄度こそ、本質的な「本当の清浄度」と「本当の安心」。越後札紙は加工済み製品を洗浄して、本質的な清浄度を高めます。

自社独自開発除塵装置で加工済み製品をイオンエア洗浄

独自開発除塵装置によるラベル洗浄の様子

より高い清浄度を実現するために、自社で独自にラベルの除塵装置を開発。その除塵装置で加工済みのラベルを全数、イオンエア洗浄します。

0.1μmミクロシリンジフィルターを通した清浄なエアを製品に吹き付け、パーティクルを除去します。噴出エアはイオン化されており、通常のエアでは除去できないレベルのチリやホコリを取り除きます。イオンエアで除電もされますので、塵埃の再付着も防止します。

数値が示す、イオンエア洗浄の威力

除塵装置のしくみ

数値測定用のサンプルラベルにて、洗浄前、洗浄後のパーティクル数値を測定、比較した結果、洗浄前に比べ、約70%〜95%のパーティクル数減少を確認しました。越後札紙のクリーンルームラベル®は、加工済み製品を全数、除塵装置でイオンエア洗浄し、「ラベルの清浄度」という本質的なクリーン度を高め、「本当の安心」をご提供いたします。

除塵装置は、巻締機にセットされたラベルを巻き取とる途中で、ラベル製品の両面にイオンエアを吹き付け、パーティクルを取り除くしくみになっています。長年にわたり蓄積したノウハウにより、効果的にラベルを洗浄します。

脱気・二重梱包で納品時も確実にクリーン

脱気・二重梱包されたクリーンルームラベル®

洗浄後の製品は、クリーンルーム(クラス1000)内にて脱気・二重梱包(ヒートシールド方式)したうえで納品いたします。高清浄度のクリーンルームラベル®を、安心してクリーンルーム内に持ち込み、ご使用いただけます。

越後札紙では、使用用途に応じた3つの基本仕様を設け、必要要件に合わせ、最適なスペックを選択できるようにしております。クリーンルーム用ラベルに関することなら、ぜひ越後札紙までお問い合わせください。

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