《ロゴステッカー》耐光インキと紫外線カットラミネートで屋外使用に強いステッカー

新潟県燕市のアウトドアブランド、LALPHA(ラルファ)様からブランドロゴステッカーのご依頼をいただきました。アウトドアブランドのステッカーですので、屋外使用が前提のステッカーです。屋外使用は、室内使用の物よりも環境を考慮した材料や加工の選択が求められます。適切な印刷材料や加工を選択しないと、短期間でのステッカー劣化を引き起こす原因となってしまいます。それらを考慮しながらご提案、ステッカー作成を行いました。
LALPHA(ラルファ) ブランドプロフィール
古くから洋食器産業が盛んだった新潟県燕市は、現在では日本を代表するアウトドアギアの産地として知られるようになりました。そんな新潟県燕市で、LALPHA(ラルファ)は2020年にアウトドアガレージブランドメーカーとして誕生しました。
人々の暮らしを豊かにする「LIFE + ALFA(ライフプラスアルファ)」な存在でありたいという思いを込めて名付けられた LALPHA(ラルファ)は、新潟県燕市から、豊かな暮らしを送るためのプラスα(アルファ)な商品を提供していきます。
屋外使用でも劣化しづらいブランドロゴステッカー。
- 耐水性のある素材で作成。濡れても大丈夫なステッカーに
- 印刷を劣化させる主原因「紫外線」をカットする紫外線カットラミネート加工
- ステッカー本体の劣化を防ぐ、ラミネートのもう一つの効果
- 2種類のロゴステッカーとして使えるようにスリット加工を
- ステッカー裏面(台紙)にSNS誘導QRコードを印刷
屋外使用を想定したラベル、ステッカー素材

ステッカーというと、フィルム系素材でツヤツヤしていて若干厚手というイメージが強いと思います。ですが使用環境によっては、紙系素材で作成するものもあります。その大きな分かれ目になるのが「屋外で使用するか、屋内で使用するか」です。
屋内での使用を想定する場合、屋外との最大の違いは「水濡れ」を考慮しなくて良いという点になります。したがって、ステッカーの材料に紙系の素材を選んでも問題はありません。ステッカーを保護するためにラミネート加工をすることがあります。この場合の主目的は「こすれからステッカー表面を保護する」ことです(屋外使用を想定したステッカーでのラミネート加工は目的が変わってきます)。ですので、屋内使用ステッカーでこすれを気にしなくてよく、コストもおさえたいという場合には、ラミネート加工を行わない場合もあります。
今回のLALPHA様のロゴステッカーは、アウトドアブランドのロゴステッカーですので屋外使用を想定したものとなります。前述の通り、屋外使用ではまず水濡れを考慮します。耐水性があり水濡れに強い素材としては、フィルム系のPETや塩ビ(PVC)、合成紙のユポなどがあります。中でも塩ビ(PVC)はステッカー素材の王道で、PETやユポより柔軟性があり柔らかく、若干の伸縮性もあるので、他の素材よりも貼りやすい傾向にあります。LALPHA様のステッカーでも、材質は塩ビ(PVC)を選択しています。
紫外線カットラミネート加工でステッカー表面を保護し印刷の劣化を防止

ラベル、シール、ステッカーの表面保護方法の一つとしてラミネート加工というものがあります。印刷後のシール、ラベル、ステッカー表面に薄い透明フィルムを貼りこむ加工です。
フィルムの材質によって、保護目的が変わってきます。大別すると一般的なラミネートフィルムと紫外線カットラミネートフィルムの2種類になります。
一般的なラミネートフィルム
主目的:摩擦、こすれ、汚れから表面を保護する。
副目的:製品の意匠性を高める。光沢感のあるツヤと、光沢をおさえたマットがある。
紫外線カットラミネートフィルム
主目的:紫外線による印刷の劣化を防止する。
副目的:製品の意匠性を高める。光沢感のあるツヤのみ。
それぞれに共通する効果として、製品の耐久性アップ、耐水性の向上が挙げられます。耐水性に関しては、製品の素材が紙系の場合、浸漬し続けるとシール、ラベル、ステッカーのカット断面から水分が染み込む恐れがありますので注意が必要です。
紫外線による印刷劣化とは、具体的には、印刷の色があせて薄くなることを指します。褪色(たいしょく)、退色(たいしょく)、色とびなどとも言います。インク化合物の結合が紫外線によって破壊され本来の色を保てなくなる現象で、特に黄色と赤系の色に顕著です。主に屋外使用での太陽光の影響で引き起こされる劣化現象ですが、室内であっても窓際に陳列する、紫外線を含む照明を使用しているなどの場合、褪色が怒ることがあるため紫外線カットラミネート加工を施し耐光性(紫外線に対する耐性)をアップさせる場合があります。
耐光性アップ以外の紫外線カットラミネートの効果

紫外線カットラミネートは印刷を保護する効果の他に、屋外環境使用によるステッカー本体自体の劣化を防ぐ効果も見込まれます。まれに、屋外に張り出された塩ビステッカーがひび割れてボロボロになっているのを見かける場合があります。雨風による素材劣化を防止(耐久性アップ)する意味合いもラミネート加工には含まれています。
紫外線カットラミネート加工だけでなく、印刷に使用するインクも紫外線劣化対策が施されたものを使用することで耐光性をさらにアップさせることができます。
紫外線対策がなされたインクを対策がなされたインクを耐光インキといいます。特に褪色の激しい赤系の色と黄色において耐光インキがラインナップされています。青系や黒のインクは元々耐候性が高いため耐光インキとしてのラインナップはありません。
今回のLALPHA様のステッカーは黒色のロゴのみの印刷ですので、印刷の褪色はほぼ心配がありません。では、なぜ紫外線カットラミネート加工をするかというと、先に述べた、紫外線によるステッカー本体の劣化防止(耐久性アップ)が主目的となります。
ステッカーを2分割にして使用するための表スリット加工
LALPHA様のロゴは、三角構図パターンと横パターンがあり、一つのステッカー内に2種を印刷し、どちらも独立した形で使用したいとのご要望をいただきました。全抜き仕様のステッカーですので、通常シール、ラベルのようなハーフカット加工ではモノとしての見栄えや使いやすさが損なわれます。
そこでとった方法が「表スリット加工」というモノです。ステッカーを横断するように1本のカットラインを入れ、2パターンのロゴを分割し、それぞれが独立したステッカーとして剥がして使えるように加工しました。
ハーフカット(半抜き)で表側にスリットを入れ、台紙をカットせずに加工することで、1枚の台紙上に2種類のステッカーが隙間なく配置される仕上がりになります。その後、全抜きで2枚1組のステッカーの形に断ち落とします。この加工を1つの加工パスライン上にて連続して行います。


表スリットは、一直線の刃型を使った「ハーフカット」なので、通常のシール、ラベル形状にカットするハーフカットと同様に、刃が深く入りすぎないように調整が必要です。刃が深く入りすぎると台紙に切り込みが入ってしまい、ステッカーが台紙から剥がしづらくなります。逆に刃の入り方が弱すぎると、きちんとカットされず、2分割のステッカーとして使用できなくなります。
通常のシール、ラベル形状にカットするハーフカット加工では、ハーフカットと同時に不要な部分を剥がして除去(カス上げ)していきますが、表スリットの場合、きちんとカットされていることが確認できるカス上げのようなプロセスがないため、一番最初の刃型調整が重要になってきます。また、製造途中で調整にくるいが発生していないかを、一定枚数間隔で抜き取りチェックを行いながら製造していきます。
ステッカー台紙(裏面)にSNS誘導QRコードを印刷

Instagram、X、Facebook、LINEなどのSNSは、今やマーケティング、ブランディングに欠かせないツールとなっています。
訂正箇所はスペック表内にあるため、文字と表の囲み罫線の一部を一緒に印刷しました。このように、印刷内容によっては、訂正箇所を文字ではなく部分で捉え訂正シールの製造を行います。訂正シールを貼る周りにもとの印刷がある場合、1〜1.5mmほど周りに余裕があると貼りやすさの面で扱いやすいです。
このように、もとの印刷内容や貼りやすさを考慮しながら、場合によっては訂正を含まない場所も含め、変更内容を「部分」として捉えた上で訂正シールを作る場合もあります。
仕様
素材の種類(紙) | 塩ビ(PVC) PP |
---|---|
加工方法 | 全抜き 表スリット |
用途 | ノベルティ |
印刷方式 | 凸版 |
接着剤 | 永久粘着タイプ一般強粘 |
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