最もポピュラーなセキュリティシール・ラベル「開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)」
ラベルの中には、粘着面の性能、材料の性質などを利用してセキュリティ性を付加する、セキュリティシール・ラベルと呼ばれるものがあります。
特殊なインクで印刷をしたもの、特殊な表面加工を施したもの、シール材質の性質を利用したものなど、さまざまなセキュリティシールがあり、中でも開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)が最もポピュラーなものといえます。
開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)とは
最もポピュラーなセキュリティシール・ラベルである「開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)」は、製品を梱包する際の開封口の封緘に多く使用されます。貼ったシールを剥がすと、箱側、ラベル側に特定文字が出現し、シールが剥がされたこと(開梱されたこと)を可視化するシール・ラベルです。これにより、さまざまな不正を防止します。
開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)の種類
開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)は、シール・ラベルを剥がした際の特定文字の出現の仕方によって2つのタイプに分けられます。文字の出現の仕方の他、素材の色や出てくる文字にもいくつか種類があります。
文字転着タイプ

シール・ラベルを剥がすと、特定文字がシール・ラベルを貼り付けした被着体に転着されて残ります。また、シール・ラベル側にも、転着されたものと同じ文字が出現します。被着体、シール・ラベルの両方に開封した跡が残るので、セキュリティ性は非常に高いと言えます。
各種製品の封緘のほか、社有IT機器の不正分解防止、精密機器の重要パーツの不正交換防止などに適しています。
文字転着タイプの開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)では、シール・ラベルを剥がして出てくる文字に「開封済」と「VOID」の2種類があります。
シール・ラベルを貼った直後は、被着体とシール・ラベルがしっかりと貼り付いていないため、剥がしても文字が出現しない場合がありますので注意が必要です。シール・ラベルを貼って、1日ほど経過させることで、粘着剤の貼り付き力がきちんと発揮され、被着体にしっかりと貼り付き、剥がした際にしっかりと文字が出現します。
文字【非転着】タイプ

シール・ラベルを剥がすと、被着体には文字が残らず、シール・ラベル側のみに特定文字が出現します。被着体側に文字や跡を残さずにセキュリティ性を高めることができます。
高級製品、医薬品、精密機器など、パッケージや製品側に跡を残したくない場合に適しています。
文字【非転着】タイプの開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)では、シールを剥がして出てくる文字は「VOID」の1種類のみとなります。
シール・ラベルを貼った直後は、被着体とシール・ラベルがしっかりと貼り付いていないため、剥がしても文字が出現しない場合がありますので注意が必要です。シール・ラベルを貼って、1日ほど経過させることで、粘着剤の貼り付き力がきちんと発揮され、被着体にしっかりと貼り付き、剥がした際にしっかりと文字が出現します。
開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)ラインナップ
文字出現の仕方、紙の色、出てくる文字などで、複数種の開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)があります。用途やラベルの仕上がり(デザインなど)に応じて、ご選択が可能です。
以下の紹介では、弊社での製品の呼び方「開封表示シール・ラベル」で統一しております。
開封表示シール・ラベル(銀ツヤ)文字転着タイプ「開封済」


シルバータイプで、被着体側、シール・ラベル側両方に文字が出現するものは、開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)の中で、最もポピュラーなタイプです。被着体に残る文字は、シール・ラベル同様にシルバーなため、視認性が高く、被着体、ラベルどちらにも文字が出現するため、セキュリティ性は非常に高いと言えます。
一度剥がすと、文字が出現した状態から元の状態に戻すことはできません。
各種製品の封緘のほか、社有IT機器の不正分解防止、精密機器の重要パーツの不正交換防止などに適しています。
シール・ラベル表面に、ロゴ、社名、注意喚起メッセージなどの印刷も可能です。
開封表示シール・ラベル(銀ツヤ)文字転着タイプ「VOID」


シルバータイプの開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)で、剥がした際に「VOID」の文字が出現します。被着体側、シール・ラベル側の両方に文字が出現します。「開封済」のものと同様に、被着体側には視認性の高いシルバーの文字が残り、シール・ラベル側にも文字が出現するので、セキュリティ性は非常に高いと言えます。
一度剥がすと、文字が出現した状態から元の状態に戻すことはできません。
各種製品の封緘のほか、社有IT機器の不正分解防止、精密機器の重要パーツの不正交換防止などに適しています。
ラベル表面に、ロゴ、社名、注意喚起メッセージなどの印刷も可能です。
シルバーには銀ツヤの他に「ケシ(光沢を抑えた銀)」もあります

開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)と似た素材に「ネーマー」があります。どちらの素材も、PETフィルムにアルミ蒸着を施したもので、見た目が似通っており、どちらも「ツヤ(表面に鏡のような光沢がある)」と「ケシ(光沢を抑えたマットな質感で、ツヤよりも光の反射が少ない)」があります。
ご要望に応じて、ツヤ、ケシのどちらかをお選びいただけます。
開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)の素材は、特殊な蒸着方法で、アルミの一部が文字の形で剥離するようになっています。そのことにより、被着体へはシルバーの文字が残り、蒸着部分は文字の形でアルミが剥離し、ラベル側に文字が出現します。
開封表示シール・ラベル(透明)文字転着タイプ「開封済」


透明PETフィルム素材の開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)となります。透明度が高く、剥がした後に残る文字は薄い白ですので、シルバータイプと比べるとパッケージの意匠性を損なわず、化粧品や高額商品などのデザイン性の高い化粧箱の封印に適しています。
透明タイプは、出現する文字の種類は「開封済」のみとなります。
一度剥がすと、文字が出現した状態から元の状態に戻すことはできません。
ラベル表面に、ロゴ、社名、注意喚起メッセージなどの印刷も可能です。
開封表示シール・ラベル(青)文字【非転着】タイプ「VOID」


特殊な積層構造の青色PETフィルム素材でできた開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)で、シール・ラベルを剥がした際に、被着体側に文字や跡が残らず、シール・ラベル側にのみ文字が出現します。粘着剤が特殊なため、のり残りしにくく、被着体を汚しません。
出現する文字は「VOID」の1種類となります。
一度剥がすと、文字が出現した状態から元の状態に戻すことはできません。
医薬品、化粧品などの封緘、シール・ラベルを剥がした後のパッケージの意匠性を損いたくないもの、再利用を想定したパッケージの封緘などに適しています。
ラベル表面に、ロゴ、社名、注意喚起メッセージなどの印刷も可能です。
開封表示シール・ラベル(透明)文字【非転着】タイプ「VOID」


特殊な積層構造の透明PETフィルム素材でできた開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)で、シール・ラベルを剥がした際に、被着体側に文字や跡が残らず、シール・ラベル側にのみ文字が出現します。粘着剤が特殊なため、のり残りしにくく、被着体を汚しません。
出現する文字は「VOID」の1種類となります。
一度剥がすと、文字が出現した状態から元の状態に戻すことはできません。
医薬品、化粧品などの封緘、シール・ラベルを剥がした後のパッケージの意匠性を損いたくないもの、再利用を想定したパッケージの封緘などに適しています。
ラベル表面に、ロゴ、社名、注意喚起メッセージなどの印刷も可能です。
開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)への印刷
開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)に印刷をすることも可能です。「開封厳禁」「SEALED」などの文字を印刷することで、不正抑止の効果をさらに上げることが可能です。また、企業ロゴなどの印刷も可能です。
開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)の素材はシルバー、青、透明など、一般的な白色のラベル用紙とことなりますので、インクの透過(透け)、素材色の印刷への影響を考慮する必要があります。
素材、印刷色、印刷仕上がりを考慮した印刷方法の選定が必要です

黒色の文字で注意喚起メッセージを印刷する程度でしたら、シンプルに黒1色の印刷をすれば良いですが、赤、青、緑などの印刷やロゴなどのグラフィック要素の印刷では、印刷の内容、印刷仕上がりイメージを考慮した印刷が必要となります。
【素材の色による印刷への影響】
インクは透過性があるため、色のついた用紙に印刷した場合には用紙の色の影響を受けます。開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)の用紙はシルバー、青、透明で、どれも、素材の色が印刷に影響してきます。具体的に各タイプの用紙でどのような影響があるか説明していきます。
【シルバー(銀色)素材の場合】
シルバータイプの開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)は、素材の銀色が印刷に影響します。青や赤を普通に印刷すると、インクが透過してメタリック調の印刷仕上がりとなってしまいます。文字の印刷など、印刷の仕上がりがメタリック調になっても特に問題ない場合や、意図してメタリック調に仕上げたい場合は、普通の印刷で構いませんが、企業ロゴを印刷する場合などは、下地の影響を受けて色が変わるのは望ましくありません。そのような場合には、先にグラフィック要素を印刷する部分に白インクで印刷をして、その上に企業ロゴなど、素材の色の影響を受けたくないものの印刷をします。白色のインクは隠蔽性が高いので、下地のシルバー(銀色)をおさえ、一般的なラベル用紙に近い白地の部分を作ってくれます。その上にグラフィック要素を印刷することで、用紙の素材色の影響を受けず、白い紙に印刷したような仕上がりになってくれます。
《参考》ネーマー素材に白印刷と単色ベタ印刷を組み合わせた作例
【透明素材の場合】
透明素材に普通に印刷すると、色付きセロハンのように色が透けた状態に仕上がります。そのため、素材の色の影響よりも、シール・ラベルを貼るものの色に影響されます。例えば、赤い色の印刷をした透明タイプの開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)を黒色のパッケージの封緘に使用した場合、パッケージの黒色が影響して赤色が赤色と認識できなくなります。このような影響を回避するには、シルバー素材同様、印刷するグラフィック要素の下に、先に白インクで印刷してから赤色を印刷する必要があります。文字要素のみの場合は、白色印刷のみで対応することも対処方法の一つとなります。
《参考》インクは透過する(透ける)ので、下地の影響を受ける
【青色素材の場合】
青色素材の開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)は、シルバー素材同様、素材の青色が印刷に影響します。下地の影響で印刷した色が黒っぽく暗い色で表現されてしまいます。これを印刷の世界では「色が沈む」と言います。色の沈みを抑え、意図した色に威上げるためには、シルバー素材での印刷と同様にグラフィック要素の下に白インクを印刷する対応をとります。文字要素だけの場合は、白色印刷のみで文字を印刷すると言う対処方法も考えられます。
《参考》色のついた用紙には、白を印刷することで白を表現する
ご説明したような、色付きや透明素材への印刷については、こちらのコラムでより詳しく説明しております。
その他の様々なセキュリティシール・ラベル
詳しくご紹介した開封表示シール・ラベル(改ざん防止シール・ラベル)の他にも、様々な種類のセキュリティシール・ラベルをご用意しております。
特殊箔押しを施し、見た目にも美しく、スキャナやコピー機での複製が不可能なチェンジング・ダイ。
ブラックライトの照射に反応して絵柄が浮き出る透明インクで印刷したブラックライトシール・ラベル。
わずかな力でボロボロにやぶれてしまうため、不正なラベルの貼り替えを防止できる脆質シール・ラベル。
ホログラム原紙に印刷をし、スキャナやコピー機での複製ができないホログラムシール・ラベル。
など、求める性能に応じた様々な種類のセキュリティシール・ラベルをご用意しております。
シール・ラベルの依頼は、経験豊富な越後札紙へ
越後札紙は、多種多様なシール・ラベルを製造してきた、豊富な経験や知識を蓄積しております。
越後札紙は、シール・ラベルのプロフェッショナルとして、シール・ラベルに求める性能、求める印刷・加工を実現するた、用紙選定や印刷の工夫など、いろいろな角度から精査し、ご要望に最適なご提案をさせていただきます。
シール・ラベルに関するお問い合わせ、ご相談、ご依頼は、お気軽に越後札紙へお声がけください。
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